放置すると5万円以下の過料の制裁!?
住所氏名の変更登記義務化について
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2024年4月1日から相続登記が義務化されます。義務化されるとどうなるかと言うと、一定の期限内に相続登記をしないと10万円以下の過料(罰金のようなもの)が科されることになります。
そもそもなぜ相続登記が義務化されるのかというと所有者不明土地問題の解消のためというのが大きな理由になります。
日本の国土で九州の面積ほどの土地の所有者が分からなくなっているのが社会問題化しているのですが、その原因の約63%が相続登記をしていないことです。
※法務省HPより
住所・氏名変更登記の義務化
ここからが本題ですが、先ほどのデータを見ると分かるように相続登記以外にも所有者不明土地問題の原因となっているのが、住所変更登記の未了になります。
登記簿上の所有者の住所や氏名は、変更があった場合には自ら登記申請して変更しなければなりません。自動的に変更してくれるわけではないのです。
ですので、引っ越しなどで住所が変わったにも関わらず、変更登記未了のため登記簿上は古い住所のままで、所有者の所在が分からないということが発生してしまうのですね。
現行法では登記簿上の住所や氏名が変更した場合でも、登記申請は義務付けられていないので何ら罰則のようなものはありません。ですが、前述のとおり所有者不明土地問題の解消のためには、相続登記と同様にこちらもどげんかせんといかん状態なのですね。
そこで、2026年4月28日までの施行予定で住所・氏名の変更登記も義務化されることが決まりました。具体的には、登記簿上の住所・氏名に変更があった場合、その変更の時から正当な理由なく2年以内に登記申請をしないと5万円以下の過料の制裁があるとうことになります。
相続登記の場合は10万円以下の過料だったので、それよりは少し低い金額になりますが、発生する頻度はこちらの方が多いのでより気を付けなければならないでしょう。
なお、すでに住所や氏名変更が発生している場合は法律の改正施行日より2年以内に変更登記を申請しなければなりませんのでご注意下さい。
住所氏名変更登記の職権登記制度
相続登記と違って特に住所変更については頻繁に起こるので、都度変更登記を申請させるのは過度な負担になるのではという指摘もあったようで登記官による職権登記制度も併せて創設される予定です。
1.登記名義人が個人(自然人)の場合
※法務省HPより
- 法務局が所有者(登記名義人)からあらかじめ住所氏名のほか、生年月日等の検索用情報の提供をうけておく
- 法務局側で住基ネットに照会をして所有者の異動情報を取得することで変更の有無を確認
- 法務局から所有者に対し、変更登記をすることについて確認を行って了承を得たときに登記官の職権で変更登記をする→登記申請義務は履行済みとなるので過料の制裁はなし
2.登記名義人が法人の場合
※法務省HPより
- 法人の住所等に変更が生じたときは、商業・法人登記のシステムから不動産登記のシステムに変更情報を通知
- 登記官が職権で変更登記をする→登記申請義務は履行済みとなるので過料の制裁はなし
職権変更登記がどのくらいの頻度(要件)でなされるのか感覚が現状分かりませんが、上記の内容だと少なくとも法人については自動的に変更されるようになるのではないでしょうか。
新法施行までまだ時間はありますが、現状として社会問題化しているため、住所氏名の変更登記を義務化するに至っているわけですので、登記簿上の住所や氏名を古いまま放置している方は義務化前であっても早めにお手続きされることをおすすめします。