「相続手続きはどの専門家に依頼すればいいのか?」
の疑問にお答えします。

※このコラムは動画でも解説しています。


「相続手続き」と一言で言っても、相続による不動産の名義変更、預貯金の相続手続き、遺産分割協議、相続税申告、など、これら全てが相続手続きです。
インターネット検索しても情報が多すぎるし、司法書士を含めて色々な専門家が相続関係の情報を出しているので一般の方だと自分の相続の悩みをどこに持って行っていいのか分からないと思います。
そこで、まずどこに依頼するか分からない方のために各専門家ごとに比較して解説します。

法律的な問題と税金の問題

まず、遺産相続は、法律的な問題と税金の問題の2つに大きく分かれます。
法律の問題とは、相続分を初め遺産分割など税金以外の全てのことです。
税金の問題とは、「相続税」のことです。
よく質問される、「相続税を支払うのはどうすればいいですか」というものですが、相続税は遺産がある一定を超えていなければそもそも申告の必要もありません。

遺産の一定額とは、平成27年以降に相続が発生したケースでは、「3,000万円+法定相続人一名につき600万円」の金額です。
例えば、相続人が2名のケースだと3,600万円になります。
遺産がこの金額を超えなければ、相続税の申告は不要です。

相続手続きで税理士に対して依頼を考える方も多いと思います。
相続税申告がないケースでは税理士の関与は不要ですが、相続税が発生するようなケースでは当然遺産の額、規模が大きいので法律的な問題も必ず発生しますので、後述する法律の専門家を窓口にして相続税が発生するかどうかの大まかな判断をしてもらって税理士を紹介してもらうのもいいでしょう。

司法書士?弁護士??行政書士???

遺産相続の法律問題の部分では、窓口として司法書士、弁護士、行政書士が考えられるでしょう。
特に司法書士と行政書士は名前も似ているので、違いをしっかり説明できる一般の方はいないと思います。
私もいまだに行政書士と間違われます(笑)。

そこで、比較の表を作ってみました。

  司法書士 弁護士 行政書士
戸籍の職権取得
不動産の相続による名義変更 ×
預貯金・有価証券の相続手続き ×
遺産分割協議書の作成
争いのある相続への介入 × ×
遺言書の作成
相続放棄の手続き ×

 ○としているのは、「業」として出来るかどうかです。
業として出来るということは「代理人」として本人に代わる権限を持って手続きを行えるということです。
インターネット上でも、特に行政書士が相続手続きを「代行」するというページが見受けられますが、これは代理行為ではありません。

士業は万が一の時のために業務の賠償保険に加入しているのですが、業として行っていない場合では保険の適用はありません。
万が一があった際に、その士業に責任を補填する資力が無ければ損害賠償請求は実質出来なくなります。

もちろん、行政書士も上記の表で○をつけている部分は業として出来ますので、戸籍の収集と遺産分割協議書だけ作ってもらいたい場合などでは依頼することが可能です。

自分のニーズに合った専門家に依頼した方が時間も費用も余分に掛かりません。

まとめ

  • 紛争性のある相続は弁護士に依頼しましょう。ただ、一般的に費用は高いケースが多いです。
  • 遺産に不動産がある場合は司法書士に依頼しましょう。弁護士でも不動産の相続登記は業務範囲ですがやってくれる弁護士はあまりいません。登記の部分は司法書士に外注するケースがほとんどです。費用は弁護士よりは一般的に安いです。
  • 戸籍の収集と遺産分割協議書などの書面作成だけ頼みたい場合は行政書士に依頼しましょう。依頼する内容も少ないので費用は一番安く抑えられます。

この記事を書いた人佐伯知哉(さえきともや)司法書士紹介ページ

司法書士法人さえき事務所の代表司法書士。
主に相続関係の手続き、相続の生前対策(遺言・家族信託など)、不動産の登記、会社法人の登記を中心に業務を行っております。今後はさらに遺産相続問題に先進的に取り組む事務所を目指しています。

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