家族信託は信託専用の口座で金銭管理しないといけませんか?
家族信託で委託者が財産を信託すると、委託者の財産を受託者が管理するようになります。
受託者は、委託者から預かった財産を受益者のために管理運用処分を行うので、受託者個人の財産と分離して管理しなければなりません。
そこで信託財産として預かった金銭ですが、信託専用口座で管理しなければいけないのかという疑問があります。
結論としては、必ずしも信託専用口座で管理する必要はないということになります。
受託者個人の財産と分離して管理できればよいので、信託財産管理用に受託者個人名義で一つ新しい口座を開設して、そこで管理してもOKです。
その場合は、なるべく信託契約書内にその口座を明記しておくと安心です。
理想とすれば、やはりきちんと信託専用口座の開設をおすすめしています。
少しずつ家族信託も浸透してきているので、金融機関にもよりますが「委託者〇〇受託者〇〇」や「委託者〇〇信託口」といった名義で口座開設できる金融機関も増えてきています。
ただ、上記のように一件信託専用のような名義の口座であっても、実際は受託者個人の口座と金融機関内で区別のない、いわゆる屋号口座のケースがほとんどです。
家族信託専用口座の開設では、おそらく現在は三井住友信託銀行さんがトップランナーだと思いますが、三井住友信託銀行さんの信託専用口座は受託者の個人口座と分離して管理してくれますので、例えば債権者が受託者名義の口座を差し押さえたとしても、信託財産は受託者固有の財産ではありませんので、こちらに影響が及ぶことはありません。
デメリットとして、三井住友信託銀行さんで口座開設するには、ある程度の資産規模や諸条件があり、また必ず司法書士等の専門家を通さないと口座開設できませんのでご注意下さい。
当事務所で、家族信託をご依頼いただいた場合に、口座開設する際は、条件を満たしていればなるべく三井住友信託銀行さんなど、きちんと信託専用口座が開設できる金融機関に依頼させていただきます。
口座開設にあたって、特に追加で費用などはいただいていませんのでご安心下さい。