「戸籍」「改製原戸籍」「除籍」の違い
※このコラムは動画でも解説しています。
相続手続きで戸籍を集める時に、「戸籍」「改製原戸籍」「除籍」というものに出くわします。
いずれも戸籍であることには変わりはないのですが、被相続人の出生~死亡までの戸籍全てを揃えるときには必要となる知識ですので、その違いを説明します。
読み方の違い
戸籍の種類を大別すると前述のとおり「戸籍」「改製原戸籍」「除籍」の3種類があります。
まず単に戸籍という場合は現在の戸籍のことを指し「現戸籍(げんこせき)」と呼びます。
次に、改製原戸籍は「かいせいげんこせき」と読むのですが、「げんこせき」というと「現戸籍」か「原戸籍」か紛らわしいので役所で取得するときには改製原戸籍のことを「はらこせき」と言うとよく通じます。
最後に除籍は「じょせき」、そのまんまです。
内容の違い
まず「現戸籍」ですが、これは現在の同一世帯の人を記載したものになります。
ただ、現在使われている戸籍も、戸籍内に記載されている人が死亡したり結婚したりして抜けていくことがあります。
電子化される前の戸籍(現在の横書きの戸籍)は、死亡したり結婚したりして戸籍を抜けてた人のところには「×」印がつけられます。
現在の電子化された戸籍では名前の下に「除籍」と表示されます。
離婚して、再び親の戸籍に入籍した場合などは、電子化前の戸籍だと一度抜けて×印が付けられていたので「バツイチ」と言ったのですね。
現行法では×印は付かないのでこの表現は古いのですが、未だに残っています。
さて、そうしてやがて戸籍内の人物全員がいなくなって戸籍が抜け殻状態になる日がやってきます。
戸籍の全員に×印や除籍と記載された戸籍は「除籍簿」というものに綴られます。
そして、そこに綴られた戸籍のことを「除籍」と呼びます。
最後に「原戸籍」です。
戸籍の様式は法律の改正によって、時折変更されます。
そうなると全ての戸籍を新しい様式に書き写すことになるのですが、その際、全ての事項をまるまる書き写す訳ではありません。
様式の変更に伴い、過去の事実(例えばすでに除籍されている人)が新しい様式の戸籍に反映されないものが出てきます。
その事実が完全に消えてしまったら困るので、改製前の戸籍も保存され、それが改製原戸籍、つまり「原戸籍」と呼ばれるものになります。
以上、この3種類を覚えておけば役所で戸籍を取得する際に戸惑うことはないと思います。
まとめ
- 戸籍(現戸籍)は現在の戸籍のこと
- 除籍は戸籍の全員が除籍された戸籍のこと
- 改製原戸籍(原戸籍)は、法律の改正によって変更される前の様式の戸籍こと