金融機関(信用金庫・信用組合・農協等)の
預貯金相続手続き・名義変更について

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銀行を含めた金融機関(信用金庫・信用組合・農協等)の預貯金の相続手続きについて解説します。

預貯金についてはほぼ全ての方が口座をお持ちですので、相続において必ず発生するといっても過言ではない手続きになると思います。

金融機関の相続手続きは2種類

金融機関の相続手続きは大きく2種類に分かれます。

 

①被相続人の口座を解約して預貯金の払戻を受ける

②被相続人の口座名義を変更して引き継ぐ

 

①は被相続人名義の口座を解約して、預貯金の払戻を受けて相続人名義の口座へ金銭を移す方法です。

②は定期預金などで利率が良い場合に取られる方法で、口座を維持して名義を相続人に変更する方法です。

 

最近は定期預金の利率も良くない(2023年8月時点で都市銀行だと0.002%ほど)ので口座を維持するメリットも少なく、解約する方法をとる人がほとんどです。

預貯金相続の流れ

預貯金相続の流れを解説します。

 

①被相続人の死亡

相続は被相続人の死亡によって開始します。被相続人が死亡すると相続人へ預貯金を払い戻す権利が相続されることになります。

②相続人の調査

相続人が誰であるかを調査します。

具体的には被相続人の出生~死亡までの全ての戸籍(除籍・改製原)謄本を取得します。

万が一、家族の誰も知らない隠し子等が判明した場合はその人も相続人になり、遺産分割協議を行う場合は相続人が一人でも欠けると無効になるので、戸籍等をしっかり調査して相続人に漏れが無いようにしなければなりません。

③口座の調査(この時点で口座凍結)

相続対象となる預貯金の口座を調べます。口座情報を一括管理しているような仕組みは存在しないので、被相続人が持っていた通帳やカード、金融機関の販促物等を手掛かりに各金融機関へ照会を掛けていきます。

なお、相続人や司法書士等の代理人が金融機関へ照会することによって、口座名義人である被相続人の死亡の事実が金融機関に知られることになるので、この時点で口座は凍結され、文字通り入出金や記帳もすることができなくなります。

④遺産分割協議(遺言書があれば不要)

相続人の調査と口座の調査が終了したらいよいよ遺産分割協議を行うことになります。

遺産分割協議で相続人がどのように預貯金を相続するかを話し合いのうえ決定します。

なお、金融機関の相続手続において遺産分割協議をしなくても相続人全員による請求であれば口座解約をすることは可能ですが、相続人が一人である場合を除いて遺産の分け方については事前にきちんと決定した方がトラブル防止の観点からも良いので先に協議をしておきましょう。

ちなみに、遺言書があれば遺言書の内容に従って遺産を分割することになるので相続人全員による遺産分割協議は不要となります。

⑤金融機関へ書類一式提出して相続手続き開始

後述する書類を金融機関へ提出します。

⑥預貯金の払戻or口座名義の変更

⑤の書類を提出したら金融機関の内部で審査されて相続手続きが進みます。

完了まで数週間かかるので後は待つだけです。

金融機関の相続手続きに必要な書類

一般的に必要な書類を列挙します。

①相続届(金融機関によってフォーマットが異なる)

金融機関指定の相続手続きに使用する書面です。

支店窓口や相続専門の窓口を構えている金融機関もあるのでそこで手に入れます。

②被相続人と相続人の戸籍(除籍・改製原)謄本

相続人調査の際に取得したものです。

法定相続情報一覧図という被相続人の相続人関係を一枚の書面でまとめたものを取得すると戸籍謄本等の束を出す必要がなくなって便利です。

複数の金融機関で相続手続きを行う場合は是非利用しましょう。

参考:法定相続情報証明制度について

③相続人の印鑑証明書(期限あり注意)

相続登記の場合は印鑑証明書の期限はありませんが、預貯金の相続では金融機関によって期限のルールを設けている場合もあるので注意して下さい。3か月~6か月程度の場合が多いです。

④遺産分割協議書

相続人全員が実印で押印したものを用意しましょう。

なお、遺言書があれば遺産分割協議書、戸籍、印鑑証明書が一部不要になる場合もあるので手続きが簡略化できます。

 

以上です。金融機関は、法務局などの行政機関とは違い民間会社なので必要書類は銀行等のよって若干異なることがあります。具体的な必要書類は金融機関に問い合わせましょう。

預貯金の仮払い制度について

葬儀費用等の急ぎの支払いがある場合など、通常の相続手続きの方法では間に合わない場合、令和元年7月からスタートした預貯金の仮払い制度を利用することができます。

 

仮払いを受けることができる上限金額は以下のとおりです。

①被相続人の預貯金残高×1/3×払戻を受ける相続人の法定相続分が限度

②金融機関一つにつき150万円が上限

上記の①または②のいずれか低い金額

 

なお、仮払い制度を使わなくてもキャッシュカードと暗証番号が分かっていれば、口座凍結前であれば預貯金を引き出すことは可能ですが、使途不明だと他の相続人とのトラブルの原因にもなるので正式な方法以外で勝手に預貯金を引き出さないようにしましょう。

司法書士に任せることも可能

これまで見ていただいていかがでしょうか。

自分でできそうという人もいれば、ちょっと何言ってるか分からないという人もいると思います。自分でできそうな人の中でも、正確性と確実性を買いたい場合や単純に面倒だという人もいると思います。そういった人は手続きを司法書士に任せることも可能です。

司法書士に相続手続きを依頼するメリットは次のようなものです。

①手間や時間がかからず正確な手続きが可能

金融機関によって手続きが異なるので都度確認するのが大変です。相続の手続きは普通は一生に何回も経験することはないのでいちから自分でやるのは相当な労力を要します。また、財産調査漏れが起きやすく、気付かずに放置された預貯金はいずれ金融機関のものになってしまいます。

②預貯金以外の相続手続きにも対応

預貯金以外にも不動産や株式等の有価証券の相続手続きを任せることも可能です。

重複する作業もあるのでまとめて依頼してしまった方が手間もなく費用面でもメリットがあります。

③法律的なリスクヘッジのアドバイスを受けられる

単に手続きの代行だけではなく、将来の相続のことなど今後のことも踏まえたアドバイスを受けることもできます。目の前のことだけではなく将来のことも考えた相続手続きこそ専門家を頼る最大のメリットになると思います。

 

以上、金融機関の相続手続きについて解説しました。

当事務所では初回相談は無料になるので預貯金の相続手続きの相談をしたい方はお電話、ホームページのお問い合わせフォーム公式LINEなどからお問い合わせ下さい。

この記事を書いた人佐伯知哉(さえきともや)司法書士紹介ページ

司法書士法人さえき事務所の代表司法書士。
主に相続関係の手続き、相続の生前対策(遺言・家族信託など)、不動産の登記、会社法人の登記を中心に業務を行っております。今後はさらに遺産相続問題に先進的に取り組む事務所を目指しています。

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